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独学には、まず「体系数学」数研出版

中高一貫教育をサポートする体系数学3数式・関数編〔高校1,2

 高校数学を独学でマスターするには、いろいろなルートがあるとは思いますが、やはり基本となるのは高等学校で使用する教科書となります。高校で購入した教科書がある方は、それを使用します。ただし、問いや練習問題の解答がないので、教科書ガイドは別途購入します。教科書がない方は、教科書配給所で買い求めてもよいのですが、市販の教科書を買うのが一番簡単です。それが数研出版の「体系数学」です。中高一貫校用の教材として有名ですが、市販されていて解答も付属します。ある程度の本屋さんなら高校学参の書棚に並んでいるのを見かけますので、割と簡単に手に入ります。

 教科書を読みつつ、問いや練習問題を解いていきます。当たり前すぎるほど当たり前で地味な方法ですが、これが一番力がつきます。高校数学の範囲で、26章、165セクションあります。毎日3セクションずつ進めるとすれば、単純計算で55日間ですが、復習を入れて、1週間で12セクションを進める(4日進めて2日復習し、1日は予備日)として14週間、3か月で終わらせることが可能です。

 毎日3セクションだと、結構きついので、1日1セクションだとすると、単純計算で165日かかります。1週間で4セクションずつ進める方法だと、42週間、10か月程度かかります。高校3年分を10か月で終わらせられるなら御の字でしょうけど、受験生なら、これではかかりすぎです。教科書レベルだけでは、大学入試に太刀打ちできませんから、頑張って3か月でしっかり基礎固めしましょう。なお、偏差値50以下の大学なら、これだけでも行けます。

 これと並行させて、教科書傍用問題集で練習を積みます。教科書だけでは演習不足となりますから。オススメは「スタンダート数学」(数研出版)です。これも学校で使われる問題集ですが、市販されています。解答は略解なのであまり詳しくないのですが、逆にそれがメリットです。詳しいことは別の記事で述べたいと思います。

 教科書を使わないルートもあるにはあります。例えば「高校これでわかる数学」(文英堂)、「やさしい高校数学」(学研教育出版)、「初めから始める数学」(マセマ出版)からスタートするルートが考えられます。ただ、これらの初学者向けの参考書は、公式の導出が完全に掲載されていません。「高校これでわかる数学」以外は、三角関数の加法定理がどうして成り立つのかまでは載っていません。「高校これでわかる数学」には、逆行列の公式の導出がありません。基本となる考え方に漏れがあるのです。

 ただし、初学者にとっては、細かい公式の導出までは必要ないという考え方もあります。難しい公式の導出は後回しにして、とりあえず解ける問題は解けるようにしておこうということです。問題を解くことによって、少しずつ理解を深めていこうという考え方です。理系科目では、こういう考え方も十分に成り立ちます。小学校でいうなら、かけ算九九は、どうして 7×8=56 が成り立つかということよりも、しちは56と答えが求められる方が有用であり、九九が十分できるようになってから、なぜ 7×8=56 が言えるのかということを考えてもよいのではないかということです。物理は、もっとそうですよね。問題がある程度解けるようにならないと、本質的な理解ができない…ということが数学以上に言えます。