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重要なのは「教科書傍用問題集」の使いこなし

 

スタンダード数学1―教科書傍用 新課程

 このクラスの問題集をしっかりやるかやらないかで、以降の学習に大きな影響が出ます。教科書傍用問題集といえば、私が推奨するものは「スタンダード数学」(数研出版)一択です。半世紀に渡る歴史ある問題集で、問題のセレクト、配列がよいし、量も適当です。年数が経っているということは、熟成されている、完成度が高いということで、内容的に古めかしいという負の面は、ありません。入試問題には流行り廃りというのがありますけど、このクラスの問題には、そういうものはありませんね。絶対に誰も通らなければならない、普遍的な基本問題ですから。

 また、逆の発想で、解答が詳しくないのがよいです。A問題に関していえば、詳しい解説は全く必要ありません。必要性を感じるようでは、教科書のやり込みがそもそも足りません。とは言え、答えだけでなく、必要に応じてヒント、略解も出ているので、必要十分であろうと思います。

 それでも、解答が詳しくないのはダメだ…という方もいるので、他に推薦できるものだと「ブルー版エクセル数学」(実教出版)があります。解説解答がかなり詳しく、問題のセレクトもよい問題集です。ただ、問題のセレクト、配列で比較すると「スタンダード数学」の方が完成度は高いです。

 「例題」というのは、いきなり問題を提示して「さあやりなさい。」ではできないもの、こういうときは、このように解くのですよと例示しないと、自力で解決するのは難しい解決へのアイディア、アプローチ、考え方を教えるためのものです。教科書傍用問題集では、例題を提示するほどでもない問題こそが重要です。定義からそのまま解ける問題、公式を当てはめるだけの問題 (A問題)、ここをしっかり練習して、基本を固めなければなりません。教科書に掲載されている問題が、それを担っていますけど、問題数が足りないので、傍用問題集を使うのです。「スタンダード数学」は、簡単な教科書のまとめ→A問題(教科書のまとめの部分がわかっていれば、解説が要らない程度の問題)→例題→B問題となっています。例題は、初学者が自力では解法を思いつきにくいレベルの問題ですから、理に適った配列なのです。一方「エクセル数学」は、必ず例題からスタートしています。例えば、数学A 44 順列(1)では、例題117で、隣り合う順列の問題から載っていますが、確かに、先生3人、生徒4人が1列に並ぶとき、先生3人が隣り合うといった順列は、先生3人をまとめて1人として考える…という考え方を教わらないと、初学者が解法を思いつくのは難しいでしょう。その後で、A問題で、8P2(8個から2個選ぶ順列)、6!の値を求めさせる問題へと続きます。これは配列がおかしいのでは…。「スタンダード数学A」では、順列の定義、求め方、階乗についてのまとめ→A問題(7P3、7P4、7P7、7P0、7P1、7!、nP2、n+1P3)、5人の生徒から3人を選んで1列に並べる順列、…→例題(条件付きの並び方(女子3人が続いて並ぶ並び方等))→B問題へと続きます。問題の難易度は、易から難へとなだらかに配列され、学びやすくなっています。同じ数研出版なので「体系数学」との相性は抜群です。

スタンダード数学1―教科書傍用 新課程

スタンダード数学1―教科書傍用 新課程

 
スタンダード数学A―教科書傍用 新課程

スタンダード数学A―教科書傍用 新課程

 
スタンダード数学2―教科書傍用 新課程

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スタンダード数学B―教科書傍用

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スタンダード・オリジナル数学3―新課程

スタンダード・オリジナル数学3―新課程

 

  教科書傍用問題集ではありませんが、レベル的に同等のものでいうと「MY BEST よくわかる数学問題集」(学研教育出版)も、オススメできる問題集です。問題数がやや多めなので、ここがネックといえばネック。