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数学は教科書中心主義で

微積分の基礎と数列・ベクトル〔高校2年生用〕 (中高一貫教育をサポートする体系数学)

 ともすると教科書は、ないがしろにされがちです。

 確かに、例題以外の問題に、解答・解説はないし、限られたページ数で内容が組み立てられているので制限もありますが、それでも、教科書中心主義で行くべきです。教科書には、文科省の検定をくぐり抜けていますので、基本事項に穴がないからです。

 参考書は、そうではありません。必ず穴が存在します。例えば、手持ちの参考書で「三角関数の加法定理の証明」が載っていますか? 「初めから始める数学II 」「やさしい高校数学II•B」には載っていません。もちろん、このクラスにはなくてもいいという考え方もありますから否定はしません。初学者の段階では、加法定理の証明よりも、加法定理がしっかり使いこなせる方が重要です。

 ただ、きっちり自分で証明できなくとも、さらっと読み流すだけでもよいので、そこを通ってから、使いこなす段階へ行く方がよいと、私は考えています。最初は何だかよくわからないけど、ここに載っているように、数学者は加法定理に至ったんだね…と証明が目に入るだけでもよいのです。加法定理が使いこなせるようになってから、証明もだんだんわかってくるので。

 ちなみに「初めから始める数学II」には証明方法は載っていませんが「元気が出る数学II」には載っています!

 教科書を使う理由が、穴がないからという点と、もう一つ。それは、基礎の基礎から問題練習できるからです。穴のない説明、解説を読んで、スモールステップで、本当に初歩の初歩の練習ができるのです。一歩一歩進んでいけば、穴がなく、しかも基本中の基本の問題練習で、理解を深めることができます。

  普通の教科書をお使いの場合は、解答がないので、必ず教科書ガイドは用意してください。教科書は、穴のない説明、解説も大切ですが、教科書の問題を解くことが非常に重要で、その答え合せに教科書ガイドは必須です。「体系数学」なら答えが付属しますので問題ありません。数学では、この段階の学習が極めて重要です。

 ただ、教科書だけでは、問題が不足します。それは、先にも述べた通り、教科書は、検定教科書で、値段も高くできませんから、限られたスペースしかないのです。ですから、必要最小限の問題しか掲載されていません。そこは教科書傍用問題集で補います。

 ただ、数学という教科は、内容が膨大なので、まずは、教科書の問題だけを一通りこなしてしまうというのも手です。時間がある方は、教科書と傍用問題集を行ったり来たりしながら進めていけますけど、なかなかそうはいかないので、気になったところだけ、特に強化しておきたいときだけ、傍用問題集を使うのが一般的でしょう。教科書の問題は、絶対にマスターしなければならない基本中の基本の問題なので、教科書の問題をとにかく完璧にしましょう。何度も解き直すことが必要です。